地質の二大区分

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宝塚の自然環境の基礎になる地形や地質の形成史を探るために、まず地質の成りたちに眼をむけよう。
 この地域に限らず、西南日本、特に近畿地方の地質条件を把握(はあく)するためには、地殻をつくっている岩石や地層を、基盤岩と被覆層に大別して考えていくのが便利である。基盤ということばの使い方にもいろいろあるが、ここでいうのは、完全に固結して岩盤とよぶのにふさわしいものであり、被覆層というのは、まだ固結度が弱く、指先やハンマーで削れる程度の柔らかい地層のことをいう。
 この区別をどのあたりでするかというと、近畿地方では、年代的には古第三紀と新第三紀のあたりでするのが都合のよいことが多い。すなわち、新第三紀の中新世以降―約二五〇〇万年前以降の地層が被覆層となる。現在の日本列島の輪郭も、ほぼこのころに浮びあがってきたのであるから、日本列島の生いたちという観点からもこの区分は重要であり、また地下水や宅地造成の問題など、土地利用という点からも意味がある。