湖から内海へ

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瀬戸内火山系の活動の終わるころ、第一瀬戸内海につづく淡水湖域であったこの地域は、完全に陸化し浸食の場となった。浸食・削剥が長期間つづいて、第三紀末(約五〇〇万年前)には広大な準平原ができあがった。起伏の少ない地形が果しなくつづくなかを、河川が緩やかに蛇行して流れる。瀬戸内火山岩でできた山がところどころにそびえている。当時の光景はこのようなものであっただろう。この準平原面の一部は、つぎに起こる六甲変動によって上昇し、現在六甲山頂にみられるような山頂平坦面としてそのなごりをとどめている。
 陸化・浸食の時代を経て、ふたたびこの地域は変動期を迎える。まず、基盤に隆起部と沈降部のうねりを生じ、沈降部は湖となり、しだいに外洋と連絡して内海となった。これが、第二瀬戸内海である。この水域にできたのが、大阪層群で代表される地層群である。