宝塚市域周辺の微小地震の実態をより正確に把握(はあく)するため、昭和四十七年八月から昭和四十八年二月にかけて、宝塚市長谷の普光寺を中心として、西宮市船坂・三田市池尻・三木市蓮華寺に臨時観測所をもうけ、京都大学・大阪市立大学によって観測がおこなわれた。
その結果を図18にしめす。これから読みとれる特徴はつぎのようなことである。
すなわち、妙見山地域では活発な微小地震活動があるのに、その南方で急になくなるのが注目される。これは有馬―高槻構造線の北側に多く、南側に少ない傾向と一致している。そしてそのなかでも、宝塚市域は全体として、微小地震活動の低い地塊に含まれているといえる。しかしこれが、今後大きな地震の発生しないということを意味するものでないことは、注意しておきたい。