地球史のなかで

84 ~ 84 / 532ページ
地球の歴史は四五億年という途方もなく長いものであることが明らかになってきた。そのなかで、現在の宝塚市域の変遷をたどることは容易ではない。北摂山地を構成する古生層は約三億年昔の産物であり、それをおおう有馬層群や六甲の花こう岩の生まれたのが七〇〇〇~八〇〇〇万年も前である。しかし注意しなければならないことは、これらの岩石や地層のできた時代と、それらでできている山地が形成された時代とは同じでないことである。
 宝塚の自然のたたずまいが、今日に近い姿をあらわしはじめたのは、地球史からいえば最後の一瞬に等しいわずか数十万年の間のできごとなのである。したがってこの部分にスポットをあてながら、これまでに述べてきた地質や地形の資料にもとづいて、自然史をまとめてみよう。