弥生時代の木棺は、一言でいえば、数枚の板材を組みあわせた箱型の組合(くみあわせ)式木棺といえる。残された木棺の実例によると、使っている板材は、底板と蓋板各一枚、側板四枚の計六枚のものが多い。底板の短辺に沿って溝を掘り、そこに短辺の側板(小口枚という)を立て、長辺の側板で両側からはさんでいる。なお長辺の側板を底板の外に立てるものと、底板のうえに立てるものとがある。蓋板は残っているものについてみると、かまぼこ型をしており、その場合、小口板の上辺は弧を描いている。大きさは内法で長さ一・五~二メートル、幅〇・五~〇・七メートル前後である。これが弥生時代の組合式木棺としては基本的なものであった。