宝塚での再検討

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これまで宝塚市内の小型古墳については、ただその存在と数についてふれただけであった。ここで雲雀山・平井・山本奥などの古墳群の形態とその性格・分布について考えてみたい。
 まず、小型横穴式石室はつぎのような特色をもつ。
  ①石室は全長一・八~三・〇メートル弱、幅一・〇メートル前後、高さ一・〇メートル強を基準とする。
  ②小型ではあっても、羨道相当部と玄室相当部に明確に区別される例がある。
  ③ふつうは天井石を有するが、一部に最初から備えていないのではないかと推定されている例もある。
  ④石室の規模から、成人一体を埋葬するのがぎりぎりと考えられる。
  ⑤墳丘の大きさも石室の規模に応じて小さいが、なかには、二つの石室がつくられているものもある。