長尾山丘陵の古墳群の中で、このような小型石室墳をふくむ古墳群をあげると、
①中筋山手古墳群 九基のうち一基
②山本奥古墳群B・C・D群 一九基のうち六基
③平井古墳群 九三基のうち九三基(箱式棺六基をふくむ)
④雲雀山西古墳群A群 三六基のうち七基
⑤雲雀山東古墳群A・B群 三二基のうち三〇基(箱式棺七基をふくむ) 計一三七基
となる(図68)。④の中に基準寸法をうわまわるが、構造上は小型横穴式石室とすべき例をふくむ。
分布図をみれば判明するように、長尾山丘陵の南斜面または尾根筋のやや平坦な面に分布し、ふつう規模の横穴式石室古墳のような山すその平坦面や、山麓の斜面にあるのは少ない。