町村は地方自治体として法人格を認められて、条例・規則の制定権が与えられ、住民の権利義務が規定された。町村の執行機関である町村長は町村会で選挙され、府県知事の認可をうける。町村会の議定事項は、条例と規則の制定および改正、町村費で支弁する事業、歳入出予算、町村税、使用料・手数料の賦課徴収、公有財産の売買・交換、基本財産の処分等が列挙された。
このような地方自治体としての町村の構成や行政機能は、従来の規模の町村ではとうていたえうるところではなく、町村の規模を拡大する必要があり、戸長役場管轄区域内町村の統合を原則として、町村合併をおこなうことになった。その規模は、三〇〇戸ないし五〇〇戸とし、「合併ノ町村ニハ新ニ其名称ヲ選定スヘシ旧町村ノ名称ハ大字トシテ之ヲ存スルコトヲ得……歴史上著名ノ名称ハ可成保存ノ」こととした。大字を部落とよぶのは、モッセが書いたドイツ語の「ゲマインデ」を部落と翻訳したからである。