ところが会社設立にあたって、当時兵庫県庁より、軌道条例による起業は、その社名に「軌道」という名称をつけ、私設鉄道法による鉄道の起業と区別するために、社名変更が求められた。そこで明治四十年六月一日に社名を箕面有馬電気鉄道から箕面有馬電気軌道と変更した。そして同年十月一日第一回株金の払込みを完了し、同月十九日に大阪商業会議所において創立総会が開催された。
総会では創立委員長の田艇吉が議長となり、創立費・定款作成・重役報酬などを付議決定し、取締役・監査役を選任して、ここに創立委員の提案が可決承認された。この取締役人事では、社長はおかず、小林一三が専務取締役として実権をにぎった。また本社を兵庫県川辺郡川西村寺畑におき、同年十月三十日に会社設立の登記を完了したのである。