明治三十七年九月、西谷村の各大字に農事会がつくられた。この規約には「本会ハ大字ヲ一区域トシ該部落ニ於テ農業ヲ営ム者ハ本会員タルノ義務アルモノトス」とあり、会員は協力一致して農事改良の実行を期し国力の増進を図ることを目的とした。会長を互選し、幹事若干名は村農会委員・農事改良実行組合委員・村勤倹貯蓄組合委員となり、「本会ニ於テ必要ト認ムル事項及村役場村農会又ハ勧業上ノ団体等ノ指示ニ関スル一切ノ事項」をおこなうのである。また、本会で決議した事項を実行しないものは、「本会ノ決議ヲ経テ相当ノ制裁ヲ加フルコトヲ得」と定められた。村の諸組織の実行機関として、各部落の農事会が村当局によって組織されたのである。