波豆むらの新規約

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波豆むらは八月十日総会を開き、福井会長より現状はむらの団結をいよいよ固めなければならない時であるが、同盟規約人の約半数より同盟規約を撤廃せよとの要求がある。これが取扱いを協議願いたいと提案があり協議の結果、新たに申合規約を作成しその後同盟規約を撤廃することになり、申合規約案作成委員として福本藤三郎・奈良平重信を含む一〇名を選んだ。八月二十六日に総会を開き、予定のとおり運んだ。
 その規約は「神戸市水道拡張工事ニ付波豆村所属ノ土地収用並ニ家屋其他物件移転ニ付」ての一一条からなる申合せであるが、要するに、(一)神戸市との関係は従来西谷村当局を通した間接のものであったが、今後は直接に建議上申および損失補償交渉や金額の決定をする、(二)申合人がその所有にかかる土地家屋等を他人に譲渡しようとする場合は、申合人中より選ばれた委員の許諾を要する、というものであった。
 ところが、規約の一部に不服があり捺印しない人があったので、委員五名を選び交渉の結果、申合規約追規をつくることで話はまとまり午前四時に解決した。追規は波豆むら申合人と他のむら居住の所有者との間題であり、捺印したものは四九名であった。