神戸市の波豆むら説得

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六月十六日には神戸市吏員が収用価格協定のため波豆へ来るというので、総会を開いた。「神戸市出張吏員ハ今回市カ発表セル価格ヨリ値上ハ不可能ニツキ一日モ早ク御応諾アル方御村ノ利益ナラン」と説得し、福井委員長は「値上ニツキ例ヲ引キ理由ヲ示シテ依頼セラル尚其他懸案中ノ諸問題ニツキ縷々(るる)要求ス市吏員ハ帰市ノ上其筋ニ復命スヘキ旨ヲ約シ帰庁」した。二十三日には福井委員長以下数名が神戸市役所へ出張し、値上げその他懸案の諸件を考慮するよう依頼して帰ったが、帰途小池弥作は病にかかった。他の委員は各地に出張して地価などを調査した。六月二十七日総会では同委員長が提案して、問題別に分担係りをおくことにした。主幹、福井幸次・中林千太郎・永瀬斌・福本藤三郎、第一部(土地)福井徳三郎以下一六名、第二部(河川堤塘)福井幸次以下九名、第三部(用地外)新井幾之助以下一四名、第四部(小作)新井仁之助以下九名、第五部(労働)今中信太郎以下七名、第六部(部落共有財産及社寺)福井幸次以下九名。六月二十八日には神戸市吏員が出張して来るというので総会を開いた。中山書記はその席で、「実ハ区長迄御邪魔シテ帰ル積テアツテ諸氏ニ面談スルハ異トスル所デアル市トシテハ到底一厘モ値上ケヲナスヿハ出来ナイ此際無理ニ買収ノ手続ヲ了サナクテモ更ニ二期ニ譲ツテモ宜シキトノ説カ内部ニアルニ付此際応セラレタシ……手紙デモ仕度ト思ツタガ折角御越シ下サツテ居ル事ジヤカライヤ/\要点丈申上ケニ参ツタ次第デアル」と述べて帰った。