水利に関しては、安倉に三つの池最寄り(申合せ水利組合)があり、それぞれが最寄り会計を有し、水利上の慣行にしたがって運営している。水利施設に関する土木工事や人夫賃金などについては、その都度最寄り水利委員が役員会に加わり協議決定した。水利施設に要する費用は、部落会会計の上ノ池・西最寄り・下ノ池・新田の各土木費および土木費常例などの費目から、また臨時的な費用は臨時費から支出される。昭和五年の谷ノ池の一部埋立工事や、そのための「トロ」ならびに同軌道借用費・工事費三〇円の支出、西最寄り潰(つぶ)し人夫出仕のことや人夫賃のこと、昭和八年五月「字上ノ池入樋ノ落シ板修繕ニ付約百三十円ノ臨時予算ヲ置クコト」、昭和十年九月「上ノ池北樋門改築ニ付コンクリート作リ樋ヲ改築臨時費支出スルコト」、また同年十二月「下ノ池西樋門取替ニ付臨時費トシテ復旧工事ヲナスコト」などが協議されている。