部落会には会長・副会長がおかれ、これは小浜村長より選任された。また実行組織としての隣保はおおむね一〇戸をもって一単位とし、隣保には各番号がつけられ、隣保代表と世話係がおかれた。隣保代表は隣保班長ともいわれ、隣保内の各戸より推せんし、部落会長が選任し、世話係は隣保内の輪番であった。そして隣保の連合組織が組であり、組長は組内の隣保代表中より隣保代表が推せん(または選挙)し、会長がこれを選任した。
「小浜村隣保編成表」(表85)によると、下安倉・安倉・小浜・米谷・米谷東・川面・栄町の七部落会からなっており、各部落会にはそれぞれ一名の部長(部落会長)がおかれ、各部落会は四~一二の組から編成されていた。下安倉や安倉の部落会の場合、隣組の戸数は標準の一〇戸を単位としているが、小浜や栄町のように家屋の密集した住居区域では、一隣保は四~五戸を単位とした。これは旧慣によったものであろう。いずれにしろ、部落会は小浜村の下部補助組織であり、政府の政策・伝達を忠実に実行する末端の行政組織であったことがわかる。
表85 小浜村隣保編成表
部落会 | 部長(部落会) | 組長 | 世話係(隣保) | 戸数(隣保員) |
---|---|---|---|---|
下安倉 | 1名 | 4名 | 4名 | 53名 |
安倉 | 1 | 11 | 11 | 109 |
小浜 | 1 | 10 | 42 | 159 |
米谷 | 1 | 7 | 33 | ― |
米谷東 | 1 | 11 | ― | ― |
川面 | 1 | 6 | 117 | 828 |
栄町 | 1 | 12 | 62 | 356 |
合計 | 7 | 61 | ― | ― |