軍需生産の増強

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日中戦争を契機に、政府は昭和十二年九月に、戦争終了までを一会計年度とする臨時特別会計を設置するとともに、臨時資金調整法と輸出入品臨時措置法という二つの統制立法を成立させ、本格的に経済統制を開始した。とくに資金調整法は軍需産業への設備資金を豊富に供給する一方、不急不要産業への資金流入を徹底的に制限した。
 またこのとき、大正七年(一九一八)に制定されたままながらく休眠していた軍需工業動員法の発動が認められ、十三年四月の国家総動員法の発動のもとに、翌五月に、陸海軍はこれにもとづく工場事業管理令によって、民間重要軍需工場の管理権を掌握した。ここに戦時経済統制は急激な展開をとげることになった。