戦争末期の軍需工場には多数の学徒や女子挺身隊が動員されていたが、文部省は八月十六日、勤労動員について都道府県および学校長にあてて通達を発し、一般の工場・事業場に出勤中の動員学徒は、原則として可及的すみやかに動員を解除する、その後の処置は学校長が適宜情勢に対処し、食糧増産をおこないながら授業をおこなう方針をとるよう要望した。
これにもとづいて、川西航空機株式会社宝塚製作所や東洋ベアリング製造株式会社武庫川工場に動員されていた勤労学徒動員も解除され、それぞれの大学・学校に戻った。また同じように川西航空機の宝塚製作所に動員中の宝塚音楽歌劇学校の女子挺身隊も、八月二十五日に解散させられた。さらに海軍が接収していた宝塚新温泉の施設も、九月二十五日に海軍航空隊より契約解除された。海軍に接収されていた宝塚ゴルフ場が接収解除されたのは、十月十二日であった。