小作料の金納化

460 ~ 461 / 620ページ
改革における一つの重要な点は、小作料の金納化と小作契約に関する知事の許可制であった。従来は物納あるいは代金納制であり、表89は昭和十九年(一九四四)現在の一般的状況を示している。
 

表89 物納小作料

郡市別小作料生産高に対する割合裏作小作料
武庫郡田1.3550なし
畑 6750
川辺郡田1.2046なし
畑 6046

『兵庫県農地改革史』による


 
 昭和二十一年四月以降、二十一年度産米から全面的に金納制とし、物納小作料の金納更改換算基準価格はつぎのとおりとされた。
  昭和二十一年一月二十六日農林省告示第十四号
        当  円         当     円
 一、玄米 一石 七五、〇〇(正味六〇瓩     三〇、〇〇)
 二、大麦 同  二四、三〇(同 五二・五瓩   一一、七三)
 三、裸麦 同  三六、三七(同 六〇瓩     一五、七三)
 四、小麦 同  四四、四三(同 同       一九、四八)
 五、大豆 同  四三、八八(同 同       二〇、四一)
 六、籾          (同 一二貫     一七、七〇)
 七、其ノ他ノ物 当該物ノ昭和三年ヨリ同十二年迄ノ十ケ年間ニ於ケル当該都道府県ニ於ケル生産者庭先相場ノ平均額ニ三、一〇三ヲ乗ジテ得タルモノニシテ農林大臣ノ承認ヲ受ケ地方長官ノ指定スル価格
 なお昭和二十五年農地の固定資産税の増収によって、同年九月十一日この定額小作料の七倍(ただし反当六〇〇円を越える場合は六〇〇円)までの引上げが認められることになった。