兵庫県でも、緊急開拓事業として新設された農地部開拓課により地区が指定されたが、実施には多くの困難をともなった。
政府は計画を改める必要を認め、二十二年十月開拓事業実施要領を定めて、計画年度の延長と開拓事業の方針を改め、第二次農地改革の自作農創設の一環としておこなうことにし、未墾地取得は県農地委員会の計画によることになった。開拓地の選定は、昭和二十一年一月二十二日勅令第三一号にもとづき成立した開拓委員会によっておこなうことになり、二十二年三月十日第一回開拓委員会が開かれた。さらに二十四年五月三十一日政令によって、兵庫県開拓審議会運営規定を定め、運営することになった。
さて、二十三年度分、県農地委員会未墾地買収実施における宝塚市域関係分は、川辺郡西谷村長谷の六町一畝二〇歩、対価一万二三四六円二六銭、所有者二名、同村境野九町歩、一万九四四〇円一銭、二名であった。
なお一〇町歩以下の中小団地については、市町村農地委員会でも計画できたのであるが、その分については表93に示した。
表93 市町村農地委員会未墾地買収実績表
買収期日 | 農地委貝会 | 面積 | 対価 | 筆数 | 所有者数 |
---|---|---|---|---|---|
反 | 円 | ||||
昭和23.12.2 | 川辺郡長尾村 | 2.502 | 703.96 | 2 | 2 |
〃 | 川辺郡西谷村 | 29.306 | 10,132.98 | 3 | 3 |
24.3.2 | 川辺郡長尾村 | 1.021 | 300.44 | 3 | 1 |
『兵庫県農地改革史』による
右の民有地の場合と同様、国有未墾地についても、県農地委員会が県開拓審議会に諮問し、適地と思われるものの移管計画を立て、知事の認可を受けることになっていた。認可されたものは農事に精進する人に売渡すまで、農林大臣が管理するこになとるのである。兵庫県では国有林野や旧軍用地が多かったが宝塚市域では国有林野に関するものはなく、旧軍用地については、表94の二件のみである。
表94 旧軍用地移管実績表
移管期日 | 地区名 | 所在 | 面積 | 対価 | 旧所属 | |
---|---|---|---|---|---|---|
郡市 | 町村 | |||||
反 | 円 | |||||
昭和22.10.2 | 大阪陸軍獣医資材支廠長尾分廠 | 川辺 | 長尾 | 202.613 | 199,290.00 | 陸軍 |
26.11.1 | 同上 | 〃 | 〃 | 916 | 15,415.40 | 〃 |
『兵庫県農地改革史』による