表107 長谷むらの講組み
講名 | 寄せ講(統一伊勢講) | |||||||||||||||||
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区および農家番号 | 上伊勢講 | 西伊勢講 | 大正伊勢講 | 昭和伊勢講 | 上愛宕講 | 中東愛宕講 | 西東愛宕講 | 中西愛宕講 | 昭和愛宕講 | 旧金刀比羅講 | 東金刀比羅講 | 昭和金刀比羅講 | 上高野講 | 中高野講 | 西薬師高野講 | 昭和高野講 | 長谷高野講 | |
地蔵の区 | 1 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
4 | × | × | × | × | ||||||||||||||
3 | ||||||||||||||||||
19 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
24 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
7 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
6 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
20 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
5 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
8 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
52 | ||||||||||||||||||
薬師の区 | 21 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
44 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
25 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
26 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
42 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
43 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
46 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
45 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
中の区 | 41 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
9 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
23 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
27 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
17 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
14 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
12 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
11 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
22 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
47 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
13 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
畑の区 | 29 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
39 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
10 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
31 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
28 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
15 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
37 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
38 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
36 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
30 | ||||||||||||||||||
53 | ||||||||||||||||||
54 | ||||||||||||||||||
55 | ||||||||||||||||||
上の区 | 32 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||
35 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
49 | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||||
51 | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||||
50 | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||||
40 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
48 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
33 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
34 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
16 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
伊勢講は、西・上・大正・昭和の四つの講組みになっており、そのうち古いのは西と上の講である。西伊勢講に所属するのは、地蔵と薬師の両区に居住する大部分の歴史の古い家であり、中・畑の両区の居住戸でこの講に参加するのは、地蔵・薬師両区の古い家の古い時代の分家であるか、またはもと両区のいずれかに居住していた家である。上伊勢講は、すべてが中・畑・上の各区の居住戸である。大正伊勢講は、三、四代前の分家やそのころにむらに入り古い家の名跡を継いだものと、芝辻新田の家々によって構成されている。昭和伊勢講は、昭和になってからの新しい分家と戦後の入村者によって昭和三十二年につくられた。
愛宕講は五つあるが、西愛宕講は地蔵・薬師・中の各区の古い六戸の本家とそれらの分家によって構成されている。中東と中西愛宕講はもと中愛宕講であったが、戸数が多くなり、「ゾゴト」(代参して帰ってきた者を中心に講員の家族全員が講宿に集まりともに飲食すること)がやりにくくなったので、昭和初期にふたつに分かれた。中西愛宕講は地蔵・薬師・中の区の家々のうち、西愛宕講に入っていないものにより構成され、中東愛宕講は上の区の家々とそれに近い中・畑両区のそれぞれ二戸が参加していた。上愛宕講は、畑の区の六戸と中の区の一戸とにより構成されているが、この一戸は畑の区の三戸と親類関係にあり、明治初期に加わったという。昭和愛宕講は新しい分家と戦後の入村者によって構成された。
金刀比羅講は三つあり、旧金刀比羅講は地蔵・薬師・中・畑各区の古い本家・分家の家々によって構成されており、東金刀比羅講は上の区の全戸と他の区にある分家をともなった大正中期の講組みである。昭和の講は右のふたつに入っていないものによってつくられた。高野講は四つあり、西高野講は地蔵・薬師両区の家々、中高野講は中の区、上高野講は上・畑両区のもの、昭和高野講は右のいずれにも入っていないものにより構成され、芝辻新田のものは、宗旨が異なるのでこの講には参加していない。
講の組みかたの歴史的変化を右にみたが、これによってむらの社会構成が、本家・分家の集団の連合から、地域的連帯による講組みの連合に変わってきたことを知ることができる。しかも各家と各講との関係は極めて錯綜した状態にある。