阪神間六市一町との関係

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宝塚市は阪神間都市圏のなかにあり、レクリエーション地としての役割をもっている。またかつては同じ武庫・川辺郡内の地としての深いつながりもあって、宝塚市と西宮市・伊丹市・川西市および猪名川町の人々との交流は密接であり、現在では公立高等学校の学校区を同じくしていて、宝塚市から通学できることになっている。
 猪名川流域には猪名川町・川西市・宝塚市・伊丹市および尼崎市が直接関係し、武庫川流域には宝塚市・伊丹市・尼崎市および西宮市があり、猪名川と武庫川をかかえる運命共同体を形造っている。農業時代には農業用水として市民生活の基盤であった河川は、いまでは生活用水の供給源であり、流域の排水を集める流路でもある。
 この阪神間六市一町は「阪神広域都市行政協議会」を組織しているが、図24は六市一町間の人口流動状況を示し、これによっても六市一町のつながりの強さをみることができる。各市への人口流入源としての六市一町の地位は年々上昇している。とりわけ宝塚市は伊丹市とともに流入人口の半数以上をこの六市一町の地域から受入れている。そしてその半数以上が西宮市からの流入者である。六市一町からの流出先は猪名川町を除くと、圧倒的に大阪市へ向けられている。しかし大阪市への依存度が年を追って低下していることは注目すべきことである。各市からの六市一町への流出人口の全流出人口に対する割合は、ほぼ横ばいといえるが、伊丹市・宝塚市・川西市・猪名川町において、この割合が比較的高いことから、阪神大都市圏のなかに阪神間都市圏が重層し、その核が尼崎市・西宮市であるといえよう。