宝塚市が緑地に恵まれていることは、ある意味で都市公園の計画的建設に障害となったかも知れない。たしかに市内各所にある宗教施設群は豊かな樹木に覆われ、企業のグランド、テニスコートは都市空間の役割を果たし、宝塚ファミリーランドと長尾地区の生産緑地は市民の眼に豊かな緑と映る。しかし、急速な都市化と今後の人口集中を考えるとき、公園の必要性は高まってくる。もっとも、せっかくの自然緑地や民間の緑樹をつぶしては、公園緑地の建設の意義は半減する。武庫山公園をはじめとする都市公園が二四カ所、二四五・四二ヘクタール(既設一一カ所、一八六ヘクタール)が計画されており、四十九年現在、都市公園一二、一般公園二三があるが、本市の恵まれた自然環境を利用し、都市公園法に定められた一人当り六平方メートルを目標に特色ある公園整備が望まれる。