市街地における雨水の浸水対策と一般家庭の汚水、工場排水、し尿処理のための下水道は都市の基本施設として、公共用水域の水質の保全や市民生活の安全ならびに公衆衛生の向上に寄与し、快適性を増大するものである。ところで、宝塚市では雨水浸水対策としては四十五年度から着手の宮の町、米谷の都市下水路が完成しているに過ぎないが、さらに谷口町地区など市内一〇カ所で排水路新設改良工事が実施されている。
しかしながら、中心は公共下水道建設事業におかれるべきであり、県営の武庫川流域下水道、猪名川流域下水道の計画にあわせて、宝塚市公共下水道計画もようやく、昭和四十六年十月十二日決定告示の運びにいたった。その後数次の計画改訂をみるが、当初の計画処理区域面積は武庫川流域汚水一七八四・二ヘクタール(雨水一七四〇・八四ヘクタール)、猪名川流域汚水四三二・八〇ヘクタール(雨水四四五・八九ヘクタール)、全域汚水二二一七ヘクタール(雨水二一八六・七三ヘクタール)である。ちなみに四十九年からはじめて雲雀丘地区および山本野里地区の一部、約四二ヘクタールが供用開始されることになったが、その対象は約一二〇〇世帯であり、市内全域に比べると微々たるものであり、重点的な政策が望まれている。