商業統計によれば(表114)、昭和三十五年の商店数九一二店から、四十七年には一・八倍の一六六八店、従業者数も二倍となり、年間商品販売額は八・五倍となった。その間の消費者物価指数の変化を加味すると、実質四倍の売上である。
宝塚市内の商業の特質を業種別にみると、昭和四十五年現在、飲食料品小売業が五八一店と最も多く、三九・三%を占め、ついで飲食店が二九九店、二〇・二%、織物・衣服・身回品小売業が一四三店、九・七%、家具等小売業九九店、六・七%、一般卸売業五〇店、三・四%であり、小売業が九六%と大きな割合を占めていることが特徴である。
今後、道路、駐車場などの整備と、店舗の近代化、集団化、大型化をはかって、スーパー等大型店の進出と共存共栄しながら、市民の高度化・多様化した消費需要を吸収するような商店街の発展のため経営基盤の拡大、経営者意識の近代化、従業員の定着化、経営管理、販売技術の向上など、積極的な商業振興策が推進される必要があろう。
宝塚南口駅の市街地再開発事業による「サンビオラ」は近代的なセンスのあふれた商店街を形成して、日用品や最寄品のみならず、買回品やファッション商品の購買力の吸収に成功したのは記憶に新しい。