観光業

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宝塚市は歌劇と温泉に象徴される観光都市である。
 大劇場からのぞむ武庫川には「宝塚観光大噴水」があり、また昭和三十九年十月十七日完成した「宝塚観光ダム」により、川幅一五〇メートルの「宝塚レーク」はボートを浮かべ、観光客の憩いの場となっている。

写真292 宝塚観光ダム


 この観光ダムに夜景を映す、約六〇軒の旅館街「宝塚温泉」はいまなお阪神間の奥座敷である。しかし問題がないわけではない。観光客の大衆化、自動車交通の発達により、昔ながらの狭い道、風情のある構え、川面をのぞむ座敷という情緒のある温泉街は、はげしい競争を強いられる観光業の発展を困難にしてきた。すでにマンションに建て替えられたところもある。旅館街の強化再開発のみちをつける努力がつづけられることが、観光都市宝塚の総合観光開発の鍵となることはたしかである。またレクリエーション時代をむかえて、武庫川上流の谷間にある武田尾温泉は、早春のワカサギ釣り、夏のキャンプ、秋の紅葉狩りの基地として再評価されつつある。
 宿泊客は昭和四十五年の一三三万人を最高にほぼ毎年一〇〇万人を維持しているが、宿泊施設数は四十五年の六一から、四十七年の五一に、収容能力も四四九〇人から三七六〇人に減少した。