住宅都市宝塚市民の大阪大都市圏への通勤通学の便を確保することは市民が関心を抱くことである。そのさい、前項のマイカー通勤は都市政策という見地からみて望ましいことではなく、公共輸送に依存すべきである。また宝塚自体にも事業所・学校をもち、通勤・通学の流入を受入れているため、国鉄・私鉄・バス網の整備が望ましい。
表119によれば、国鉄利用者は漸減もしくは横ばいであり、阪急電鉄の乗降客は激増している。私鉄の輸送力の増強をはかるように駅舎の立体化が急がれるとともに、国鉄福知山線の複線電化がますます望まれている。とりわけ、宝塚駅周辺の乗継ぎを立体化するような整備がすすめば、通勤・通学者の便宜が増大することになろう。
市内の通勤・通学に利用されている阪急バス・阪神バスの路線整備は、山手に開発された住宅地と鉄道各駅とを結ぶために、今後とも整備されることが望まれる。西谷地区から市街地への交通確保もなおざりにすることはできない。ただバス交通の場合、道路の狭さが問題であり、経営上の問題もあって、市民の要望を入れた路線の整備がかなり困難であることは否定できない。