市民の生活状況を消費構造の変遷によって説明しよう。個人消費支出で最も特徴的なことは、飲食費の構成比が低下し、住居費、雑費の構成比が増加したことである。所得水準の上昇とともに飲食費の構成比が低下するのは当然で、宝塚市の四十年が三四・一%であるが、四十六年度は三〇・九%である。全国都市の平均は三八・一%から三三・四%に低下している。なお飲食費が二・八六倍になっているが、その間に消費者物価が一・三八倍の上昇を示したことを忘れることはできない。住居費の構成比が一五・八%から一八・〇%へ上昇したのは家賃の上昇、耐久消費財の購入増大による。
雑費が三四・〇%から三八・七%へ上昇しているが、全国都市の平均は三六・〇%から三九・八%へ上昇しているので、宝塚の場合、全国都市平均に比べると住居費が異常に高いことを指摘できる。全国平均より、四十六年度で七・二%上回っている。
なお、個人貯蓄の動向をみると、四十六年には四十年の四・七倍の貯蓄をしており、貯蓄率も四十六年に二五・九%という高率である。
さて、これだけ高水準の消費は市内の商店において充足されるわけでなく、大阪市内のデパート、スーパーなどに依存するもの三三・五%、神戸市内のデパート一一・三%である。とりわけ呉服反物、男子既製服、鞄袋物、傘(かさ)、男子・婦人洋品、貴金属、化粧品、贈答品等は大阪への依存度が五〇%を上回っている。