・「飛騨国(ひだのくに)の絵図」と「飛騨地域の地図」を掲載している。史料の年代は江戸、明治、大正、昭和、平成時代で、高山市域及び飛騨地域全体を掲載範囲とした。各図の名称は、それぞれの史料名称を掲載している。そのため「飛騨国絵図」「飛騨国図」など、名称が異なる場合がある。
・印刷した刊行本の解説文では、図集の『飛騨国絵図』を『絵図』と略し、また『飛騨国絵図(解説)』を『解説』と略し、『絵図』と『解説』を同画面に組み合わせた。その文中、『絵図』と『解説』の表記はそのままにしている。
・方位は原則として北方向を上にしたが、江戸時代の絵図は東が上になっているものが多く、そのほか多様であったので『絵図』中の右、左の説明文中に方位を記入した。江戸図では西、大坂図・伏見図・奈良図などでは東を上にする例が多い。『絵図』中、北を上に統一すると、記されている文字が読みにくくなるため、その当時に使われていた絵図、地図の方向とした。
・図面の余白に書かれた統計的内容を一般的に「端書(はしがき)」といい、その末尾に制作年や責任者の名前が書かれている部分を「奥書(おくがき)」という。端書、奥書と凡例についても解説をした。
・折りたたまれた絵図の裏に記される絵図名は「外題」といわれるが、外題に記されている名称を掲載している。
・資料原本の「寸法」は縦□□センチメートル、横□□センチメートルを「□□×□□」とした。
・文中、「センチメートル」を略して「センチ」とした。
・長さの単位
1里→ 36町(3.927キロメートル)
1町→ 60間(109.09メートル)
1間→ 6尺(江戸初期には6.5尺)
(1.818メートル)
1丈→ 10尺(3.03メートル)
1尺→ 10寸(30.30センチ)
1寸→ 10分(3.03センチ)
1分→ 10厘(3.03ミリ)
1厘(りん)→ 10毛(0.03ミリ)
・『解説』中、引用文献等の註釈は各節ごとの文末に付した。
・本資料編の監修を松田之利氏にお願いし、絵図、地図の整理と解説編の執筆を高山市史編纂員の田中彰が担当し、古文書の解説を林格男氏にお願いした。
・絵図、地図の撮影はデジタルカメラ(フルサイズ)を使用し、また一部をA3スキャナーで複写した。
・絵図、地図史料を極力そのまま掲載し、歴史研究、検証、活用の便を図れるように編集した。
また、統計資料の表作成、図化にあたっては、現在確認ができる史料の中でまとめたもので、今後精査されていくことを期待する。
・参考文献
高山市郷土館編集『高山の古地図』高山市教育委員会発行 平成4年10月1日
『高山の文化財』高山市教育委員会発行 平成6年3月31日
高山市編集『高山市史上巻(復刻版)』高山印刷㈱発行 昭和56年4月30日
高山市編集『高山市史下巻(復刻版)』高山印刷㈱発行 昭和56年9月1日
高山市編集『高山市史第一巻』高山印刷㈱発行 昭和56年5月7日
高山市編集『高山市史第二巻』高山印刷㈱発行 昭和57年3月31日
高山市編集『高山市史第三巻』高山印刷㈱発行 昭和58年8月7日
『飛騨金森史』(財)金森公顕彰会発行 昭和61年5月31日
『飛騨天領史』山岡鉄舟翁顕彰会発行 平成2年7月19日
田中彰編集『飛騨高山明治・大正・昭和史』飛騨・高山天領300年記念事業推進協議会発行 平成4年12月20日
高山市郷土館編集『角竹郷土史料文庫目録上・下巻』 平成7年12月20日
長谷川忠崇著 岡村利平編集『飛騨資料飛州志』住広造発行 明治42年6月28日
誤字脱字訂正版岐阜県郷土資料刊行会編集 岐阜日日新聞社刊行 昭和44年10月20日
上村木曽右衛門著 大野政雄校訂解説『飛騨資料飛騨国中案内』増補完本
岐阜県郷土資料刊行会編集 岐阜日日新聞社刊行 昭和45年12月1日
蘆田伊人編集『大日本地誌大系斐太後風土記上・下巻』長坂一雄発行 昭和43年2月10日
田中貢太郎編集『飛騨国大野郡史上巻』田中貢太郎発行 大正14年1月30日
田中貢太郎編集『飛騨国大野郡史中巻』田中貢太郎発行 大正14年6月30日
田中貢太郎編集『飛騨国大野郡史下巻』田中貢太郎発行 大正14年7月30日
国絵図研究会編『国絵図の世界』柏書房株式会社 平成17年発行
岐阜県編集『岐阜県史史料編近世一』岐阜県 昭和40年発行
和泉清司著『近世前期郷村高と領主の基礎的研究・正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』
岩田書院 平成20年発行
川村博忠著『国絵図』株式会社吉川弘文館 平成2年発行