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第28図 |
第28図は伊能忠敬が文化11年(1814)4月17日、高山へ測量に来た際、高山町を測量した図である。浅野吉久は『飛騨高山安川物語』の中で、「伊能忠敬の測量日記―高山の項」「伊能忠敬の測量旅」を紹介している。旅日記は、忠敬が毎日旅宿で、その日その日の測量を丹念に書きとめたもので、この中から浅野は高山の部分を取り出し、作図したのが第28図である。本陣「鍵屋(上木)」の前で天測を行なっている。測量技師らしく、高山町の南北通りを中心に計測したことがわかる。越中への道(北方向)を見ると、大新町を北へ進んで板橋を渡り、現在の本町、七日町筋と合流し、松本橋を渡っている所が注目される。
また、東西南北の街道が記され、江戸街道は「江戸」、尾張街道は「美濃」、郡上白川街道は「越前」、越中街道は「越中」と記されている。
図中、(イ)1~3は七日町を通る越中への道で、その合計が25町31間2尺と記される。(ロ)1~4は大新町を通る越中への道で、その合計が15町39間と記される。(ハ)1~2は江戸への道で、その合計が7町55間と記される。(ニ)1~2は一之町の通りで、えび坂下から布引橋が5町12間5尺と記される。