[街道概要図、里程図(第34、35図)]

街道里程図第34図
[目録]


 第34図は版本で、「嘉永六年癸丑秋九月開板、飛騨国高山の日下部徳立編輯、緑暁圓淇道蔵板」と奥書にある。
 高山から京都(六十六里余)、江戸(八十四里余)、伊勢(六十九里余)、秋葉山(五十里余)、善光寺(四十里余)、身延山(五十四里)、名古屋(三十八里)、本保(四十六里)、富山(二十二里)などと、それぞれ里程が余白に記入されている。高山からは、江戸街道(甲へ)、越中街道(松本、広瀬へ)、郡上・白川街道(新宮、三日町へ)、尾張街道(久々野へ)がそれぞれ記され、街道名称は記入されていない。
 各在所間の里程が全て記され、国境も表示がある。この街道図1枚あれば、どこへでも行くことができる便利な地図である。
第35図

 第35図は第34図を元に信州・江戸方面、尾張・京都方面を概要図にまとめたものである。下諏訪からは中山道(和田へ)と甲州街道(金沢、新宿へ)に分かれている。
 江戸街道中、中宿(高根町)から日和田へ四里とあるが、上ヶ洞、阿多野を通らずに中宿から日和田へ通じる道程が、現在のどの道なのか検討を要する。