[飛騨国絵図全区別図(第64図)]

飛騨国絵図全区別図第64図
[目録]


 この絵図は8枚の紙をつなぎ合わせた版本の地図で、1枚の紙は約36×48センチである。版本の状態は悪く、裏打ちがされ、凡例の下が欠損している。黒、赤、青、灰、薄緑色の5色刷りである。古城址が○印、社寺が社寺印、各村が赤色で塗りこまれている。版木がしっかりとしているようで、字は鮮明である。
 元になった図は「第63図『絵図』」と思われる。内容はほぼ同じであるため、版本として何枚か作製されたのであろう。
 また、刷られた地図の上に、高山県時代の「大区」名が朱書きされている。高山が第五区、丹生川が第六区、朝日、高根が第七区、宮、久々野が第八区、清見が第十三区、国府が第十四区、荘川、白川村が第十二区に表記されている。また高山町に「高山縣」と表記されている。
 表紙には版画の題せんが貼られ、「飛騨国絵図区別図全」とあり、「第三十九号、地第弐拾号」と貼紙の上に墨書される。「高山尋常高等小学校図書印」の5センチ角の印が表紙と本紙地図に押印されている。