第68図 [目録] |
この図は、明治4年から明治9年までの筑摩県時代の交通図である。現在の松本市が県庁所在地で、「筑摩県」の表示がある。高山は、高山陣屋に筑摩県出張所が置かれていた。
凡例に川の色、山や郡界の表示例があるが、地図にはその凡例に則した記載がない。原本を写した際に省略されたのであろう。
明治政府は、明治4年、江戸時代の藩を廃止して平均40万石前後の県に分けようと考えた。同年、笠松県、大垣県、郡上県、岩村県、苗木県、加納県などの諸県を廃止して岐阜県が置かれている。
街道を見ると、越中道中通り(越中中街道)、小豆沢通り(越中西街道)、大原通り(郡上街道)、下原通り(尾張街道)、御厩野通(下呂~中津川方面)、野麦通り(江戸街道の一部)が記される。長野県側では中山通、伊那街道、甲州街道などが記される。