第71図 [目録] |
この図は、明治9年に、筑摩県の内飛騨が岐阜県と合併してから間もなく作られた岐阜県管内地図である。左上の端書に次のとおり記される。
県庁ハ美濃国厚見郡今泉村ニ在 北緯三十五度二十七分四十秒 西経二度五十九分ニ位ス
○飛騨国村々ハ旧県所管中 数十ノ村落ヲ合セシモノニテ土地梢々広濶ナレハ便覧ノ為メ村界ヲ
描キ尚旧村名ヲ挿入ス
符号として、宿駅、本線路(二重線)、支線路(単線)、郡界、濃飛両国界などが凡例として記されている。
当時の重要な交通路である尾張・越中街道は二重線で記される。江戸街道は単線で高山から山口、辻、見座、小瀬、万石、上ヶ見、大広、里川、小瀬ヶ洞、黍生谷、猪鼻、中宿、大古井、上ヶ洞、阿多野郷、野麦、寄合渡へと通ずる。また、阿多野郷から南に分かれて長峰峠を越えて西野村へ出る道も記される。
飛騨山脈を見ると、穂高岳の南方向に焼山、硫黄山、阿房山、銀山、安場山、乗鞍岳の記載がある。
村名では神岡村、大名田村(明治25年に分村して灘村独立)、位山村の区域がわかる。朝日村、高根村は益田郡に含まれていた。