その昔、当時木曽谷は水田が少なく遠くから時間と費用をかけて運ばなければならなかった。
木曽に住む古畑権兵衛は、山を隔てた米所の伊那から最短で運ぶことを考え、幾多の難工事の末、馬の通れる峠道に改修を行った。以来この峠を誰言うともなく「権兵衛峠」と言うようになったという。この権兵衛峠は「米の道」とも言われ、伊那から米、木曽から漆器などが運ばれ、多い日には千頭もの牛馬が往来し重要な通商路として栄えた。
峠は冬期に通行止めとなっていたが、トンネルが平成十八年に開通してから季節を問わず通行できるようになった。権兵衛トンネルは四四六七メートル。