越中への道は三ルートあり、高山から国府町上広瀬の追分で(ア)越中東街道、(イ)西街道(古川、宮川廻り)へと分かれる。東街道は今村峠を越えて大坂峠(十三墓峠)へ向かい、上宝の石仏(いしぼとけ)、神岡の山田、船津に着く。船津からは高原川を藤橋で渡って高原川の右岸ルートとなり、((ア)東街道)東町から富山へと通ずる。船津から川を渡らず左岸を下ってゆくのは(ウ)中街道で、難所割石を通って谷村、籠の渡しを経て越中蟹寺、西猪谷、八尾、富山へとつながる。
国府町上広瀬の追分から(イ)西街道は平地を北へ進み、大無雁で右岸ルート、川向こうの左岸ルートの二手に分かれながら越中西街道として西猪谷、西笹津、八尾、富山へと通ずる。東街道と比べると四里長い。これら三ルートは、いずれもそれぞれの役割を果しながら城下町高山の食を支えていった。