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目次
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第一章 飛騨の街道を行く
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第一節 江戸時代の街道を行く
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(4)越中東街道
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③街道沿いにのこる見所
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(ヒ)凡兆岩(飛騨市神岡町西茂住)
[凡兆岩(飛騨市神岡町西茂住)]
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神岡鉄道茂住駅の南方一・七キロメートル、高原側左岸に、自然石の巨大な句碑が屹立している。
わしの巣の 樟のかれ枝に
日は入ぬ 凡兆
芭蕉十哲の一人、凡兆が元禄四年(一六九一)、越中中街道を通り抜け飛騨に入ろうとした。しかし、難所続きのため、この地まで来て、この先を踏破できず引き返した。その時右記の句を残したと伝えられる。この故事を飛騨高山の国学者であり、俳人であった加藤歩簫が知り、遺詠地を探り、凡兆のこの句を大書して岩に刻ませ記念としたものである。
1-1-(4)-28 凡兆岩