ビューア該当ページ

[凡兆岩(飛騨市神岡町西茂住)]

44 ~ 44 / 289ページ
 神岡鉄道茂住駅の南方一・七キロメートル、高原側左岸に、自然石の巨大な句碑が屹立している。
 
 わしの巣の 樟のかれ枝に
 日は入ぬ   凡兆
 
 芭蕉十哲の一人、凡兆が元禄四年(一六九一)、越中中街道を通り抜け飛騨に入ろうとした。しかし、難所続きのため、この地まで来て、この先を踏破できず引き返した。その時右記の句を残したと伝えられる。この故事を飛騨高山の国学者であり、俳人であった加藤歩簫が知り、遺詠地を探り、凡兆のこの句を大書して岩に刻ませ記念としたものである。

1-1-(4)-28 凡兆岩