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(荘川村化石フォーラム)

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 平成八年に、国立科学博物館の真鍋真博士は、日本学術振興会の日英科学協力事業により、イギリスから三名の研究者を日本に迎え、二年間にわたり荘川村の自然史の研究をした。同十年、その研究成果の講演会が、荘川村中央公民館で開かれ、日英共同学術調査に携わった同博士とロンドン大学のスーザン・エヴァンス助教授は、尾上郷地区で発掘した恐竜の歯や、カエルの化石と、それに新種のトカゲや、水中は虫類のコリストデラを発掘したことを発表した。新種のトカゲとコリストデラの学名には「荘川」と名付けて、イギリスの学会で報告すると発表した。
 これらの調査研究の結果を経て、平成十一年八月に第一回化石フォーラムが荘川村中央公民館で開催されたが、このフォーラムで、手取層群の地層から二種類の飛行性は虫類「翼竜」の歯の化石が見つかり、うち一つは、日本で初めて見つかった種であることが分かった。
 専門家が「翼竜」の歯と断定した化石は国内で初めてで、ほぼ同じ地点から二種類の翼竜の化石が確認されたのは、アジアで初とされ、同じ地層から原始の鳥の化石も出ている。