松之木の七夕行事は、七夕岩に大縄が張られる行事である。七夕岩は、大八賀川の両岸に立つ、男岩と女岩の二つの大岩からなる。毎年八月六日(古くは七月六日)に、男岩(左岸)と女岩(右岸、漆垣内側)の両岩に大注連縄を張り渡し、飾り提灯や、その年に男の子が生まれた家では藁の馬を、女の子が生まれた家では糸巻きを吊るし、牽牛織女の二星をまつり、五穀豊穣を祈る。平成二十六年八月六日の七夕には馬五頭、糸巻き三基、行燈八十個が吊るされた。
この行事は元禄時代以前から行なわれていたといわれ、『飛州志』や『飛騨国中案内』、『斐太後風土記』の中でも紹介されており、古くから遠近に知られていた。
国道を横断して張られ、危険なために、一時中断したこともあったが、当局との折衝の末、復活をした。
歴史もあり、他では見られない貴重な民俗行事である。
1-1-(9)-7 七夕岩(松之木町)