1-1-(9)-9 平湯街道
1-1-(9)-10 馬頭観音
史跡指定は五六七・九メートルで、国道158号線入口から丹生川村境までである。途中の馬頭観音、一里杭を含める。
江戸時代においては、高山から平湯方面に至る重要な街道であったが、都市化により旧街道の残る地域はここだけになってしまった。道行く人に里数(りすう)を知らせる里杭(りぐい・石標)がここには残存し、欠損してはいるが「従高山□」の文字が読める。また「まこも坂」の登り口には大岩に彫られた二体の馬頭観音がある。向かって左側の馬頭観音は高さ一六〇センチメートル、幅一九〇センチメートルの大岩露出部に、高さ六八センチメートル、幅九三センチメートルの長方形区画を彫り、その中に馬頭観音ほか二体の仏像を浮彫りにし、左端枠外に延享二年(一七四五)の刻銘がある。
向かって右側の馬頭観音は高さ一五〇センチメートル、幅一七〇センチメートルの大岩露出部に、高さ六〇センチメートル、幅五五センチメートルの方形区画を作り、中に馬頭観音一体を浮彫にしてある。
大岩は二個のように見えるが根の方でつながっている。昔ここで駄馬が遭難したので、供養のために造像したという。