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〈平湯温泉自動車来場〉

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1-1-(9)-27 平湯温泉絵葉書(昭和前半)

 1-1-(9)-27は「中部山岳公園平湯温泉」の絵葉書である。平湯温泉の共同浴場建物があり、その前に、古い自動車が写る。これは、フランス製の「イスパノスイザ」と思われ、昭和二年に秩父宮様が飛騨へ入られたときに使われた車と同型である。
 左側のボンネットバスは、古い型のニッサンバスである。
 この共同浴場は木造で、屋根上には湯気を出す部分があり、隣の建物は自動車乗場である。表示看板には「大坪自動車自動車のりば」と書かれ、高山方面、船津方面、高原峡下り、双六谷場と行先が書かれる。
 この大坪自動車は昭和十八年四月一日、戦時事業統合のため、当局の指示があって、濃飛乗合自動車株式会社に統合された。
 写真は、昭和十四年安房峠にバスが通るようになった年の頃と思われる。
 今、平湯へは四十分くらいで簡単に行けるが、当時は結構、時間がかかったことであろう。