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(5)飛騨国中全図

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 年代 高山県の時代・慶応四年(一八六八)六月~明治四年
    (一八七一)十一月
 寸法 一〇二・六×三〇・七センチメートル
 所蔵 高山市教育委員会
 
 この絵図は飛騨が高山県であった三年の間に作られた飛騨国絵図で、図の上が東方向である。高山の位置に「高山県」と四角で囲われている。蔵書印は「岐阜県下飛騨高山町事務取扱所」とある。
 主要街道、在所、隣県への里程が詳しく記されているが、基本情報は江戸時代の飛騨国絵図等を参考にしていると思われる。古城跡が○印、山は薄緑色、池沼川は青色、郡分けは黒色、往来が赤色の単線で表記される。口留番所も記号で表記される。社寺の位置と名称は極めて詳しく記され、社寺の位置が必要であったことが伺える。
3-1-(5)-1 飛騨国中全図(高山県)東が北
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3-1-(5)-2 飛騨国中全図 上が北


 部分拡大図3-1-(5)-2は高山周辺の図である。情報量が多く、地誌の調査に役立つ好資料である。
 越中街道など東西南北の街道は、江戸時代のとおりであるが、政治的に必要な道路について特に書き加えている道もある。
 東北方向の三福寺~上野~新張~細越~桐山~三之瀬~は山道であるが国府町方面への別ルートとして記されている。
 西方向には「春国」の名が見える。