5-2-(3)-1 福来口口役銀取立目当帳
「小白川口諸口役銀取立壁書」と同じように、品目が「いろは順」に記されているが、品目の数は八〇余りと極めて少ない。
しかし、小白川口の壁書(天明四年)より二十五年後のもので、荷物の大きさや産地などがより細かく規定されている部分がある。
一 干大根壱荷 但 菰(こも)包三ツ 百把 四匁四分
一 煙草壱駄 但 八拾五斤弐箇 附 百斤六匁三分
是は竹原・和佐辺より出候分
一 木綿大壱箇 但 目方拾七貫目より 弐拾八反
拾八貫目まで 五匁四分八厘
この口役銀取立目当帳にこうした特徴があるのは、福来口の近くに大きな下原口番所があったからであろう。
以下、この「諸口役銀取立目当帳」に記載されている品目名を列記する。
い
稲扱(いねこき)・石灰(いしばい)・芋種(いもだね)・鰯(いわし)・鋳掛(いかけ)古銅・猪(いのしし)の肉・猪の皮
は ほ へ と ち
蛤(はまぐり)・同抜身(ぬきみ) 干大根(ほしだいこん) 縁取(へっとり) 燈心(とうしん) 中茶(ちゅうちゃ)
り を わ
琉球(りゅうきゅう) 筬(を)・桶輪竹(おけわだけ) 椀(わん)・藁(わら)・草鞋(わらじ)
か
鰹節(かつおぶし)・傘(からかさ)・鍛冶炭(かじずみ)・楮(かうぞ・こうぞ)・草刈鎌(くさかりがま)・数の子(かずのこ)・餝紙(かざりがみ)・皮栗(かわぐり)・釜上り(かまあがり)・皮(猪・鹿)
た
煙草(たばこ)・田作(たつくり)・竹皮(たけかわ)・大豆(だいず)・溜り(たまり)・竹箕(たけみ)・大根種(だいこんだね)・刻大根(きざみだいこん)
そ つ
素麺(そうめん)・草桶(そうけ・ざるの別称) 紡錘(つむ・ぼうすい。糸巻の心棒)
な む
鍋(なべ) 筵(むしろ)・大麦(むぎ・大麦が麦の中心であった)
く
菓子(くわし・かし)・串柿(くしがき)・桑葉(くわのは)・繰綿(くりわた)
や ま
焼麩(やきふ)・薬種(やくしゅ)・松ゑひ(不明) 絸(まゆ・繭)・絸ひび(まゆひび・最下級の繭)
ふ
古鉄(ふるてつ)・古手(ふるて・古着(ふるぎ))・篩(ふるい・絹篩(きぬふるい)・馬の毛篩(うまのけふるい)・
竹篩(たけふるい)・金篩(かねふるい)の別あり)
こ て
紺屋藍鉢(こんやあいばち)・粉藍(こなあい)・こぶし花・肥灰(こえばい)・米(こめ) 鉄(てつ)
あ
麻布(あさぬの)・麻種(あさだね)・明し松(あかしまつ)・麻苧(あさお)・灰汁灰(あくはい)
さ
酒(さけ)・細魚(さいぎょ)・酒粕(さけかす)・さつは松(?)
き み
黄綿(きわた)・黄綿実(きわたのみ)・刻大根(きざみだいこん) 蜜柑(みかん)大・同小・味噌(みそ)
し ひ
生姜(しょうが)・汁杓子(しるしゃくし)・松煙(しょうえん・墨の別称) 雛(ひな・雛人形)・干菓子(ひがし)
も せ す
木綿(もめん) 瀬戸物(せともの)・銭(ぜに) ずいき・すもも・炭