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[安政五年九月・福来口 出入諸荷物諸口役銀取立目当帳]

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岐阜県歴史資料館・飛騨郡代高山陣屋文書1-55-8 (5-1-1 図 ②)

5-2-(3)-1 福来口口役銀取立目当帳

 「小白川口諸口役銀取立壁書」と同じように、品目が「いろは順」に記されているが、品目の数は八〇余りと極めて少ない。
 しかし、小白川口の壁書(天明四年)より二十五年後のもので、荷物の大きさや産地などがより細かく規定されている部分がある。
 
 一 干大根壱荷 但 菰(こも)包三ツ 百把 四匁四分
 一 煙草壱駄  但 八拾五斤弐箇 附 百斤六匁三分
   是は竹原・和佐辺より出候分
 
 一 木綿大壱箇 但 目方拾七貫目より 弐拾八反
           拾八貫目まで   五匁四分八厘
 
 この口役銀取立目当帳にこうした特徴があるのは、福来口の近くに大きな下原口番所があったからであろう。
 以下、この「諸口役銀取立目当帳」に記載されている品目名を列記する。
 
 い
稲扱(いねこき)・石灰(いしばい)・芋種(いもだね)・鰯(いわし)・鋳掛(いかけ)古銅・猪(いのしし)の肉・猪の皮
 は              ほ          へ      と       ち
蛤(はまぐり)・同抜身(ぬきみ) 干大根(ほしだいこん) 縁取(へっとり) 燈心(とうしん) 中茶(ちゅうちゃ)
 り         を            わ
琉球(りゅうきゅう) 筬(を)・桶輪竹(おけわだけ) 椀(わん)・藁(わら)・草鞋(わらじ)
 か
鰹節(かつおぶし)・傘(からかさ)・鍛冶炭(かじずみ)・楮(かうぞ・こうぞ)・草刈鎌(くさかりがま)・数の子(かずのこ)・餝紙(かざりがみ)・皮栗(かわぐり)・釜上り(かまあがり)・皮(猪・鹿)
 た
煙草(たばこ)・田作(たつくり)・竹皮(たけかわ)・大豆(だいず)・溜り(たまり)・竹箕(たけみ)・大根種(だいこんだね)・刻大根(きざみだいこん)
 そ                    つ
素麺(そうめん)・草桶(そうけ・ざるの別称) 紡錘(つむ・ぼうすい。糸巻の心棒)
 な    む
鍋(なべ) 筵(むしろ)・大麦(むぎ・大麦が麦の中心であった)
 く
菓子(くわし・かし)・串柿(くしがき)・桑葉(くわのは)・繰綿(くりわた)
 や                      ま
焼麩(やきふ)・薬種(やくしゅ)・松ゑひ(不明)   絸(まゆ・繭)・絸ひび(まゆひび・最下級の繭)
 ふ
古鉄(ふるてつ)・古手(ふるて・古着(ふるぎ))・篩(ふるい・絹篩(きぬふるい)・馬の毛篩(うまのけふるい)・
竹篩(たけふるい)・金篩(かねふるい)の別あり)
 こ                                     て
紺屋藍鉢(こんやあいばち)・粉藍(こなあい)・こぶし花・肥灰(こえばい)・米(こめ) 鉄(てつ)
 あ
麻布(あさぬの)・麻種(あさだね)・明し松(あかしまつ)・麻苧(あさお)・灰汁灰(あくはい)
 さ
酒(さけ)・細魚(さいぎょ)・酒粕(さけかす)・さつは松(?)
 き                           み
黄綿(きわた)・黄綿実(きわたのみ)・刻大根(きざみだいこん) 蜜柑(みかん)大・同小・味噌(みそ)
 し                               ひ
生姜(しょうが)・汁杓子(しるしゃくし)・松煙(しょうえん・墨の別称) 雛(ひな・雛人形)・干菓子(ひがし)
 も      せ            す
木綿(もめん) 瀬戸物(せともの)・銭(ぜに) ずいき・すもも・炭