先般其の村々 天朝御料相成り、竹澤寛三郎取締仰せつけられ候処(ところ)、咋十三日交代いたし候間、其の旨相心得申すべく候。此の触書村名下へ請印令(せ)しめ早々順達、留り村より相返すべきもの也。
辰三月十四日
梅村速水御印
三月十九日、阿多野より参り候。
御用□、日和田村より返納仕り候。
〔解説〕
飛騨国取締に任じられた竹澤寛三郎が、わずか三か月で水戸浪士梅村速水と交代させられる、という劇的な歴史の変動が、さりげなく四行の文章で村々へ通達された。
この時、阿多野郷の人々は、意外に冷静にこの通達を受け入れていたかもしれない。