6-4-(1)-1 御用宿遣人足帳
6-4-(1)-1 御用宿遣人足帳
この人足帳は文化五年(一八〇八)正月から十二月までに、日面村(高山市丹生川町)等で御役所の御用宿にかかる人足を出した記録である。不明な箇所が多いが、御役所からの出役要請に対して緻密に人足割当していることが伺われる資料である。
【表紙】
文化五年(一八〇八)辰正月吉日
御役所御用宿遣人足改帳
日面組 四ヶ村
【一】
正月廿七日
郷中寄合 正宗寺迄(北方・曹洞宗)
駄吉村・長七(飼馬)、塩屋村・善太郎(東出)
廿九日
四ヶ村惣代 人足願ニ 日面村・源助(桑原)
廿八日
三ヶ村役 塩屋村・善太郎
二月十二日
たい二□井 西組(※江戸時代、日面村は西組、東組とあった)・又兵衛(緒方)
こう夫 宗四郎(加藤)
二月十五日
旗鉾迄 駄吉・弥兵衛(荒田)
十六日
坊方村迄 日影村・佐衛門太郎(古家)
四月朔日ニ
日面村・長右衛門(大下)、駄吉村・源蔵(□)
四月二日ニ
町方迄 駄吉・長次郎(次郎カ・□□)
四月十二日
一、大谷迄 駄吉・長七(飼馬)
一、同 塩屋・八郎次郎(大前)
一、旗鉾迄 駄吉・長助(飼本)
五月十六日
一、旗鉾迄 かこのことニ 塩屋村・たれ
一、同村迄 長□□□□惣□ニ 日面村・弥一(福林)
巳二月
【二】
日影村
一、高三十八石四斗八升六合
二月十三日
平湯村迄
一、日影村・作右衛門(中井)
四月十二日
一、町方村迄 いちゑ(一位)板子荷物 四郎三郎(東水)
五月八日
一、同五人 源四郎(古出)・甚蔵(□)・又左衛門(牧上)・佐(左佐衛門太郎(古家)・作右衛門(中井)
一、同一人 又左衛門(牧上)
巳年正月十三日
一、一人 日影村・佐右衛門太郎(古家)
同四月三日 平湯迄 とまり
一、一人 四郎三郎(東水)
九月十五日 平湯迄
一、人足一人 作右衛門(中井)
九月十五日
一、同一人 源四郎(古出)
【三】
巳三月十日 町方村迄
一、人足三人 又左衛門(牧上)・作右衛門(中井)・佐衛門太郎(古家)
同十二月
一、人足一人 平左衛門(□)
午正月九日 平湯
一、人足一人 作右衛門(中井)
同正月十日 平湯
一、人足一人 又左衛門(牧上)
同正月十三日 平湯
一、人足一人 源四郎(古出)
同三月三日 平湯
一、人足一人 四郎三郎(東水)
同五月十一日 平湯
一、人足一人 又左衛門(牧上)
同六月 平湯
一、人足一人 源四郎(古出)
同正月十日 平湯
一、人足一人 太郎右衛門(中田)
【四】
駄吉村
一、高六十四石五斗六升七合
二月十三日
平湯村迄
一、弥左衛門(森本)
一、市三郎(桑原)
三月十三日
一、長兵衛(東濃)
四月十四日
一、町方村迄 いちゑ(一位)板子荷物 市三郎(桑原)
五月八日
平湯迄
一、四人 長三郎(□)・長助(榧森)・与作(下山)・弥次郎(東城)
五月九日
一、四人 弥三郎(栃棚)・市三郎(桑原)・善四郎(川瀬)・弥助(東出)
五月十一日
一、高山御役所 一位板子 助四郎(古瀬)
【五】
平湯迄
巳年正月十三日
一、駄吉村 助四郎(古瀬)
二人
一、同 市三郎(桑原)
二月 平湯迄
一、一人 長左衛門(飼本)
三月十日 町方村迄
一、人足五人 弥次郎(東城)・茂平(兵衛)(瀬上)・弥助(東出)・長九郎(水本)・長七(飼馬)
平湯迄
四月三日 とまり
一、二人 状 太左衛門(手綱)
五月十四日 平湯迄
一、人足一人 孫七(□)
八月十日
一、人足一人 長七(飼馬)
十月十六日 平湯
一、人足一人 弥助(東出)
同十二月
一、人足一人 三郎九郎(□)
午
※「いちゑ」
天然木の一位の木を山の現場で「木挽」たちが製材して山から搬出した。