國立蚕糸試驗場
農林省蚕糸試驗場は、農林大臣直接管理の下、本場を、東京都杉並區高円寺に置き、北は山形縣新庄市、南は鹿兒島縣屋久島に亘り、十支場一製糸試驗所を配置し、一体となつて蚕糸全般に関する基礎的試驗並に調査の事務を掌つている。
尚武豊支場は、大正元年一宮市に一宮支所として設置せられたものを、昭和9年、原蚕種國家管理法の實施に伴い、原蚕種製造事業擴張の爲移轉の止むなきに至り、縣當局と當町の援助により、昭和12年南中根79番地に移築完了し、現在に至る。現在建物1253坪、構内敷地、8934坪、桑園22483坪、現在員38名で蚕種の製造、桑樹の栽培法品種改良、蠶の品種改良、飼育法或いは遺傳について、養蠶振興の根源をなしている。特に戰後養蠶復興の叫ばれている折、其の發展は今後にまつべきものが大きい。