六貫山大根

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 農作物の特産として、本町は昔から大根をあげうると思う。六貫山大根の名は、六貫山の大根をさすわけではないが、比較的六貫山が本町の産額の大部分をしめ、其の味がよいことによつて、各市塲に於ける武豊の大根は「六貫山大根」として稱されているので其の名をつけた。
 本町は比較的畑地が多く、然も其の土質が有機物に富んで粘氣を帶び、大根の生育に最適である。叉鉄道、船と運搬の便に惠まれ大根生産者にとつては誠に好條件にあるわけである。本年(25年)に於ける産出數量は25万8千貫を數え主として関西市塲に(13万5千貫)送られ、其の半數(12万2千貫)は漬物として加工されている其の大部分は「靑首宮重」であつて、其の産額を戰前に比べてみるに 肥料と主食統制の影響をうけて現在の處あまり香しいと思われないが、然し明年よりの期待は待つべきものがあると思われる。