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大杉大神

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 「昭和廿四年 月吉日建之」、と刻まれた石宮である。本社は茨城県桜川村阿波にあり、祭神は大国主命で、大黒様として広く知られている。
 当社鎮座地は、このあたり一帯で最近まで唄われて来た「あんばばやし」の発祥の地でもある。
 本殿前に石燈籠が一対あり、「文政十二己丑年(一八四一)九月吉日 願主香取勘之烝 香取治郎衛門 香取惣次衛門 香取金右衛門 香取惣兵衛 香取新兵衛 香取新左衛門 香取儀兵衛 戸村藤衛門 戸村久兵衛 二十六夜講 願主江幡三良兵衛 高橋源之烝 高橋縫之烝 高橋長兵衛 高橋四郎左衛門 高橋喜兵衛        土屋三左衛門 土屋七郎兵衛 土屋長左衛門 二十三夜講 惣氏子中」の刻字が見られる。
 また、鳥居の前にある石造手洗いには「奉納御宝前 西古内村願主紺屋伝次郎総村中 寛政三辛亥(一七九一)吉日」と刻まれている。
 毎年一月八日が当社の御備社(おびしゃ)で、各戸一名ずつが神前に集まり、全員が弓を射る。弓は榊の木で作られ、的は九〇センチほどの大きさに画かれた三本足の鳥である。そして烏に当った矢が多い年は農作物が豊作だといわれているが、三本足の烏についてのいわれは明らかでない。
 参加する村人も、昨年中家族中に不幸のあった人は不浄を忌む意味からか、出席を遠慮するという不文律があり、伝統のある神聖な行事である。