当地に伝わる著名な家伝薬は次の三薬である。
六兵衛(きず薬)
いりの家(とげ薬)
わだや(突き眼の灸)
これらはいずれも、その創始についてはわからないが、代々相続者だけに伝えられる秘法によって、近年まで多くの人々が救われた薬であり技である。
きず薬はただ一回の貼布によって治ったといわれ、とげ薬は一回の服用だけでささった刺が自然に浮き出て来たという。突き目の灸は肩と肘に一回すえるだけで痛みがとれたということである。
なお、これらの内容はそれぞれの家でもすでに過去のものとなってしまったようである。