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檀林印章

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 左に示したのは檀林文書に押印使用したもので、「海東大檀林」とあり、事円寄付の銘がある。おそらく学徒の篆刻したものであろうといわれる。材質は桜で乾漆製。印面に金属性の輪廓を嵌めてあったらしいが、今は失われている。なお、これは実物の約三分の二弱である。

檀林印章

 世にいう「一里塚」は檀林日本寺を起点としたともいわれ、宗門の学僧たちは全国から集った。そして、そのことを何よりの誇りとして常に忘れることなく、日々の精進に努めたことであろう。
 いま、他所からの資料・研究によって当寺が改めて大きく評価されようとしているが、郷土の碩学村岡良弼の詩を載せて、往時をしのぶよすがとしたい。
 
     中村檀林
  日本寺、法華檀林之一也。僧房伽藍、結構雄偉、学侶常満五百。近者置大教院于東京。檀林之称廃矣。
    寺古山深秋爽哉
    一声幽磬暮鴉回
    雲林不改旧時色
    曽養幾多竜象