当集落に神社はない。
旧中村全域の鎮守は六所大神である。したがって南・北中および他地区との合同の祭りは同社において行われるが、これとは別に宮集落に鎮座している春日・妙見・八幡の三社への信仰を基盤に、お備社の行事が受け継がれている。宮、南和田を一つにして三軒ずつを当番とし、そのなかの春日神社の当番が本当番といわれ、お備社の主催者となって一年間その役を勤める。
毎年一月二十二日には当番の手によって宴会の準備がなされ、宮の集会所に両集落の全当主が集まって、本年の豊饒と無事を祈って懇親の一日を過すことになっている。