この寺は、南和田内にありながら村内の檀家は二戸のみである。しかしまた、境内および隣接する墓地に建つ墓石は村全戸にわたっている。『中村寺院明細帳』はその沿革について次のように記している。
千葉県管下下総国香取郡南和田村字和田
法華経寺末
日蓮宗 福現寺
一、本尊 釈迦牟尼仏
一、由緒 不詳
一、堂宇間数 間口七間半 奥行三間半
一、境内坪数 三百四十坪
一、境外所有地 略(七筆)
一、檀徒人員 四十九人 以上
また、明治十九年四月七日、村惣代並木三之丞・立会人大倉常吉の署名がある『下総国香取郡南和田村沿革歴史』には「福現寺ハ北方字台ニアリ日蓮宗也。和田山ト号ス。下総国東葛飾郡中山村法華経寺末寺也。創立年月日貞治二年(一三六三)八月」とあり、さらに、元禄元年(一六八八)霜月八日に日本寺三十三世日演(唯本院通雅)が記した『談林年貢帳』の末尾には「和田村福賢寺(ママ)、当談林之末寺也」とある。言い伝えでは貞治二年に日本寺三祖日祐(浄行院)の開基によるものであるともいわれている。